気持ちの先にあるもの
さすがに今の達也はごまかし切れなく、雪江が泣き出すまでの流れを説明した。

「それでお前本気で雪江ちゃんも早く彼氏作れとか無責任な事ばっか言ったんか??」

「お、おう。でもそんなんで泣くとか思わんやん!実際意味分からんし・・」

睨み付けてくる達也に言い返した。


「意味分からんやと!!!!」

不意に体が後ろに押された。
達也が僕のむなぐらを掴んできたのだ。


苦しい・・・・

「うっ・・・何すんねん!?なにキレてんねん!」

離そうとしても離れない、こいつこんな力あったっけ・・・


「うるさいわ!!お前なに泣かしてんねん!どんだけ雪江ちゃんが今日楽しみしてたと思ってんねん?」

また掴む力が強くなった・・・

「きょ、今日がどないしたんや・・?」


「お前ほんまに覚えてないんかい・・・?」

何やねん・・・

全然分からん・・・

もう言葉言うんもしんどいほど締め付けられている。ゆっくり首を縦にふる。


「今日は・・・お前と雪江ちゃんが初めて会った日やろが!!」


達也が掴んだ手を離して僕を突き飛ばした。
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