気持ちの先にあるもの
Tシャツが汗で引っ付き始めた頃、浴衣姿の女の子2人がこちらに小走りで近寄ってきた。

「ごめーん!お待たせー!!」

まぁ毎度の事ながら頬をプルプルさせながら話している。

「全然えぇで!!てかむっちゃ浴衣似合ってるやん!なぁ春樹?」

さっきまでのテンションとちゃうやんけ・・・
頷きながらこいつの変わりようにびっくりした。


「春樹君、汗かなり書いてるなぁ!!ごめんなぁ!」
雪江が申し訳なさそうに謝りながらこちらにきた。

・・・・!!!!

その時今日初めてまともに雪江を見た。

あかんあかんあかん!
これは反則や!

黒の生地に赤い帯を締めた浴衣姿の雪江は・・・
たまらなくかわいかった。
達也には悪いがプルプルとは比較にならない・・・

この子と2人っきりになっても釣り合わんやなぃかぁ・・・

「春樹君また顔赤いでぇ?大丈夫?」

「・・・!だ、大丈夫、大丈夫!!ゆ、浴衣似合うなぁ!」

見とれてしまった・・・

本音まで出てしまった。

「ありがとう!!ちゃんとこの日のために買ってん!お世辞でも褒めてもらえてうれしいわぁ!!」


お世辞ちゃうよぉ・・・
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