気持ちの先にあるもの
「すごいなぁ!!理恵もタイミング良くはぐれてって言うてた!」

どうやら2人同じタイミングで同じ作戦らしい・・

逆に失敗するのが見たくなってきた。

「春樹ぃ花火の時間もうそろそろやんなぁ?」


達也が後ろを振り返り聞いてきた、
これがこいつの作戦の合図らしい。

「雪江ぇこの祭りやっぱ広いなぁ!!」

プルプルはプルプルで雪江に作戦の合図を言っているみたいだ。


「そやなぁ!」

偶然かどうかは分からないが、僕と雪江は同時に同じセリフを言っていた。

お互い笑うのをこらえながら!!


達也も緊張しているのだろう、さっき出店で取ったヨーヨーをしきりにボヨンボヨンさせている。

さぁどのタイミングではぐれるか・・・
達也たちと僕らの距離は徐々に離れていく。

ふいに雪江が僕のシャツを引っ張る。

「そろそろどっか出店入ってはぐれよっか?」

シャツを掴んでいる光景が何とも言えなくかわいい・・・

「そ・そやな!じゃああの店いこ!1・2・3・・」
数えると僕たちは人込みの中に飛び込んだ。
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