気持ちの先にあるもの
まだ寝ぼけているのか
達也はよだれを拭きながら

「・・あぁ、そーやったなぁ!早よ行かなあかんやん」

「珍しくマクドとかどーしてん?」

急いで帰り支度をしている達也に聞いてみた。
まぁ・・何となく分かるが

「俺の運命の出会いがあったんや!駅前のマクドで」

「駅前?新しくできたとこか。てか何でわざわざあんな遠く行くねん?」

「あほやなぁ!あそこ東中学の校区やろ?やからかわいい子探して遠征したんや!」

どーや!と言わんばかりの力説に呆れながら関心してしまった。

「でも、今日おるか分からんやろ?」

「大丈夫や!一週間ポテトと水だけでねばった結果、今日はおる」

完全なストーカーや・・・僕は幼なじみの彼の執念にかなり引いた・・

だるそうにしている僕に気付いたんだろう
「ほな行くで」と、達也は僕の腕をかなりの力で引きずるように校門に歩き出した。


「強制かい・・・」

最後のあがきも通用しなかった
< 5 / 136 >

この作品をシェア

pagetop