気持ちの先にあるもの
冷静に辺りを見ると雪江に金魚を取ってあげた出店まで戻っていた。

「今からじゃ神社行ってたら花火始まってまうなぁ!!」

「やっぱちゃんと座ってみたいねぇ!」

ここから間に合って1番花火がよく見える場所を考えてみた、
雪江に自分のせいで花火が見れないと思わせたくなかった。

「打ち上げ場の方行ってみよか!?あそこならイイトコあるかも!」

雪江は汗を拭きながら橋の向こう側を指差した。

「あっち??」

金魚の袋が右左に揺れている。

「うん!行ってみよ!」

雪江の手を引いて歩き出す、お互い汗ばんでいて繋いでいなくても良いのに
雪江も離そうとしない、
好きな人に頼られるってほんとに緊張する・・・


神社に向かう人波の逆流に突っ込み雪江に気を使いながら橋の下までたどり着いた。

ここから少し歩いた所に確か岩場があったはず、
そこならたぶん花火がはっきり見えるはず!

「もー少しやねんけど大丈夫??」

「うん!!春樹君やさしいなぁ!ありがと!」

雪江の頬が少し赤い、
やっぱり疲れているんかなぁ!!
まぁ素直にやさしいとか言われて真っ赤っかなのだが
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