気持ちの先にあるもの
少し歩くと岩場が見えてきた、さすがにここらへんには人が少ない。

出店は橋の下から神社にかけてしか出ていない、たぶん出店も無いこちら側にいる人達は地元の花火目的の人とかだろう。


「何とか間に合ったなぁ!ここ登れる?」

僕は岩場に先に登り雪江に聞いてみる、小さい石が階段みたいになっているからいけると思うが。

「がんばってみる!」

と頷きながら言うと歩きにくい浴衣姿で僕の手を借り1つずつゆっくり登ってくる。


「うわぁ河きれいやなぁ!!」

何とか登りきった雪江が感動しながら僕のシャツを引っ張る。

確かに堤防辺りの住宅の光りが反射して河がキラキラしていてきれいだ。

「落ち着いて見ると春樹君かなりドロドロやなぁ!あたしも汗だらけやぁ!」

雪江は僕を見て楽しげに笑う、
確かにTシャツとジーパンという簡単なスタイルの服装のあちこちが汗と土でドロドロになっている。

「本間やなぁ!なんか必死すぎて気にならんかったけどひどいなぁ!!」

「でもそんだけ探してくれてんもんなぁ!!ありがと!!」

その言葉だけでこんな汚れどーでもよくなる。
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