気持ちの先にあるもの
ヒューーー・・・・

ドン・・ドン・・・!!


やはりここは絶好の花火スポットだったようだ。

「きゃあ!!きれい!」

「春樹君ヒマワリになってるぅ花火がぁ!」

隣で大はしゃぎしている雪江を見ながらそう思う。

こんなに無邪気になれるってすごい事やでなぁ!
この子のおかげで僕も去年までとは全く違うきれいな花火を見ることができている。


「理恵たちも見てるやろなぁ!この花火!」

雪江がふと思い出したように言う。

「そーいや花火までに合流するって段取りやったなぁ!!まぁえぇんちゃう!」

あいつらももう付き合って2人で花火見物してるだろう、手でも繋ぎながら。

花火が始まっても雪江に連絡が無いことから分かる。

・・・・連絡?

・・・・・携帯??

「あぁ!!!!」

「どしたん!?」

雪江が驚いた顔でこちらを向く。

「迷った時とか携帯電話さんおってんやん!!」

「あっ・・・!!ほんまやぁ!忘れてた!」

・・・・・・・プッ
・・・アハハハハ!!
沈黙の後、2人揃って吹き出してしまった。

僕らの笑い声は花火にも負けてなかっただろう。
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