気持ちの先にあるもの
「なに・・・?」

見ると達也君が犯人を殴りとばして上に乗っかっていた。

「お前!!殺したらぁ!」


警察も跳ね退けられていて間に合わない。。


「やめてぇ!!!」

理恵の叫び声も届かず達也君の右手はきれいに振り抜かれた。


鈍い音が通路に響く。


慌てて警官が達也君を引き離し押さえ付けた。


「離せやぁ!!こいつ言いよったんや、ピーピーうるさいのぉ全員死ねやって!殺したる」

いつもの達也君じゃない、本気で怒ってる。

春樹君のために・・・


犯人がゆっくり起き上がり信じられない言葉を言い出した。

「いったいのぉクソガキが!!何回でも言ったるわ、あのガキもひかれた時すぐ死んどったらよかってん!!ハハハ」


生まれて初めて頭に血が昇っていくのが分かった。

もう押さえられない。。


「テメエ!!・・・」

殴り掛かろうとする達也君より早く私は手を出していた。

おもいっきりのビンタを


「最低や・・・最低や」


言いながらその場に泣き崩れてしまった。。
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