気持ちの先にあるもの
ただこれは1番最悪なケースですので・・・

という先生の最後の付け足しは私の耳にはあまりにも遠く聞こえた。。


でも生きてる事に変わりはないよね・・・


私たちにとっての1番の最悪な結果にはなってないんだから。


手術室から看護婦たちに連れられて春樹君が出て来る。


そこには傷だらけになった春樹君がベットの上で眠っている、
麻酔が効いてるのだろう。

頭には包帯が・・・

顔中に擦り傷が・・・

手にはおっきなギブスがつけられてる・・・


でも・・・・

それでも確かに私の目には春樹君が映っている。


痛かったろうね・・・


ほんとにごめんなさい・・


春樹君の右手にそっと触れてみる。


あったかい・・・


生きてて良かった・・・


やっと暗く濁っていた心に光りが降り注いだ、
ホッとしすぎて涙がまた溢れてくる。


あれっ・・・?

何か握りしめてる・・?

なんだろ・・?
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