あおぞらカルテ
そういえば…
手術記録を検索すると、フォンタンの執刀医が“道重律”になっていた。
5年前、親父が執刀した子が、今こうしてオレの担当患児に…。
なんか変な気分。
「“しっかり治しましょうね”って、同じことを言ってくれて、苗字も同じだしもしかして…って」
「そうでしたか」
「なんとなく雰囲気も似ていらっしゃいますよね?」
「え?そうですか??」
顔は母親似だし、クソ真面目な親父とは正反対の性格だし、似てるところなんて思い当たらないのに…。
「よろしくお願いします」
親父みたいに立派な医者でもないのに、お母さんは深々と頭を下げる。
「いえいえっ!こちらこそ!未熟者ですけど、主治医の飯塚先生と一緒に診させてもらいますのでっ!」
柊斗くんは、親父が執刀した患児ってことで、なんとなく特別な存在になった。
5年前の手術記録を引っ張り出せば、詳細な記録が親父の文字で書かれていて、タイムカプセルを開けた気分だった。
その記録をそっくりそのまま模写しただけで、まるでその手術に立ち会ったみたいに、すごくリアルに想像できた。
手術記録を検索すると、フォンタンの執刀医が“道重律”になっていた。
5年前、親父が執刀した子が、今こうしてオレの担当患児に…。
なんか変な気分。
「“しっかり治しましょうね”って、同じことを言ってくれて、苗字も同じだしもしかして…って」
「そうでしたか」
「なんとなく雰囲気も似ていらっしゃいますよね?」
「え?そうですか??」
顔は母親似だし、クソ真面目な親父とは正反対の性格だし、似てるところなんて思い当たらないのに…。
「よろしくお願いします」
親父みたいに立派な医者でもないのに、お母さんは深々と頭を下げる。
「いえいえっ!こちらこそ!未熟者ですけど、主治医の飯塚先生と一緒に診させてもらいますのでっ!」
柊斗くんは、親父が執刀した患児ってことで、なんとなく特別な存在になった。
5年前の手術記録を引っ張り出せば、詳細な記録が親父の文字で書かれていて、タイムカプセルを開けた気分だった。
その記録をそっくりそのまま模写しただけで、まるでその手術に立ち会ったみたいに、すごくリアルに想像できた。