あおぞらカルテ
持ち前の自然治癒力で、8時間睡眠と旨い寿司で完全復活を遂げた朝。
採血当番で子供たちの敵にまわり、嫌われて叩かれて、噛みつかれて…。
本来、子供にとっての“お医者さん”は、鬼ごっこの相手でもなく、痛いことをするマジ鬼なんだな。
「ごめんごめん!もう終わる!」
なんて必死に弁解してみるけど、すねを思い切り蹴られて悶絶。
子供ってのは純粋で、正直で、生意気なくせに、憎めない存在。
「柊斗くん、おはよ」
処置室に連れてこられた柊斗くんは、もう何をされるか知っている顔で、完全に凍りついていた。
だけど、子供の気を逸らせるために着ていた自前のサッカーのユニフォームに、視線は釘付けになっていた。
「…先生、サッカー好きなの?」
「ん?おー、これ知ってる?」
「ユベントスのユニフォームでしょ!?」
「当たり!よく知ってんなぁ!」
そう言ったら、想像以上の食いつきで柊斗くんはしゃべる。
「お父さんとテレビで見るんだ。お母さんはぜんぜん興味ないんだけど、ぼくとお父さんと、セリエAの試合。お父さんがね、日曜日にサッカーのコーチをしてて、それでね、すごいんだよ。リフティングとか、2000回くらい」
採血当番で子供たちの敵にまわり、嫌われて叩かれて、噛みつかれて…。
本来、子供にとっての“お医者さん”は、鬼ごっこの相手でもなく、痛いことをするマジ鬼なんだな。
「ごめんごめん!もう終わる!」
なんて必死に弁解してみるけど、すねを思い切り蹴られて悶絶。
子供ってのは純粋で、正直で、生意気なくせに、憎めない存在。
「柊斗くん、おはよ」
処置室に連れてこられた柊斗くんは、もう何をされるか知っている顔で、完全に凍りついていた。
だけど、子供の気を逸らせるために着ていた自前のサッカーのユニフォームに、視線は釘付けになっていた。
「…先生、サッカー好きなの?」
「ん?おー、これ知ってる?」
「ユベントスのユニフォームでしょ!?」
「当たり!よく知ってんなぁ!」
そう言ったら、想像以上の食いつきで柊斗くんはしゃべる。
「お父さんとテレビで見るんだ。お母さんはぜんぜん興味ないんだけど、ぼくとお父さんと、セリエAの試合。お父さんがね、日曜日にサッカーのコーチをしてて、それでね、すごいんだよ。リフティングとか、2000回くらい」