あおぞらカルテ
大屋先生を見ていると、内科医もいいかなって思うんだ。
静かに患者さんと対話して、自宅に帰ってからも病気をコントロールできるように、医者がサポートする。
“町のお医者さん”を目指すなら、内科を選ぶべきだ。
まだ迷ってはいるけど…。
「先生、おつかれさまです」
ナースステーションのパソコンで検査データチェックをしている時。
そう声をかけてきたのは、初老の紳士。
まさに紳士って感じの、グレーのチェックのハンチング帽に、ベージュのジャケットを着たおじいさんだ。
はて?
どちらさまだったか…?
「今日からウチの八重子がお世話になります」
紳士は深々と頭を下げた。
「いえいえっ、こちらこそ!!」
反射的にお辞儀しながら、ふと思い出した。
そういえば…
さっきの検査データの中に、新規入院の患者さんの名前があった。
佐藤 八重子(さとう やえこ)さん、82歳 女性。
20年前に肥大型心筋症と診断され、外来でフォロー中。
ときどき心不全の症状があり、ここ数年も何度か入院されている。
今回も呼吸困難の症状が出てきて、心不全コントロールのため入院となった。
データを見てみると、心不全末期だと推測できる。
あわせてレントゲンを見ても、予想通りの状態。
なんとなく、今後の展開が見える感じがして、気が重くなった。
静かに患者さんと対話して、自宅に帰ってからも病気をコントロールできるように、医者がサポートする。
“町のお医者さん”を目指すなら、内科を選ぶべきだ。
まだ迷ってはいるけど…。
「先生、おつかれさまです」
ナースステーションのパソコンで検査データチェックをしている時。
そう声をかけてきたのは、初老の紳士。
まさに紳士って感じの、グレーのチェックのハンチング帽に、ベージュのジャケットを着たおじいさんだ。
はて?
どちらさまだったか…?
「今日からウチの八重子がお世話になります」
紳士は深々と頭を下げた。
「いえいえっ、こちらこそ!!」
反射的にお辞儀しながら、ふと思い出した。
そういえば…
さっきの検査データの中に、新規入院の患者さんの名前があった。
佐藤 八重子(さとう やえこ)さん、82歳 女性。
20年前に肥大型心筋症と診断され、外来でフォロー中。
ときどき心不全の症状があり、ここ数年も何度か入院されている。
今回も呼吸困難の症状が出てきて、心不全コントロールのため入院となった。
データを見てみると、心不全末期だと推測できる。
あわせてレントゲンを見ても、予想通りの状態。
なんとなく、今後の展開が見える感じがして、気が重くなった。