あおぞらカルテ
「道重先生、ちょっと」
救命センター長から呼ばれた。
嫌な予感。
「顔色悪いけど、大丈夫か?今度の当直は代わってもらいなさい」
「いえ、全然元気なんで大丈夫です!」
色々調べ物をしたりして、最近ろくに寝てないからか。
でもそんなこと理由にできない。
自分の勉強不足なんだし。
「そうじゃなくて。ベテランの医者ならともかく、そんな疲労困憊状態の研修医に診察される患者の気持ちになってみなさい」
センター長はやんわりとオレをたしなめる。
「今週末はゆっくり休め」
そう言ってオレの名札を取り上げた。
これがないと、救命センターのスタッフ用通路のロックが開かない仕組みになっている。
もう強制終了って感じだな。
何も反論できなくて、黙って頭を下げた。
悔しい。
それ以外の言葉が浮かばない。
とぼとぼと更衣室に行って、自分のロッカーにボールペンを投げつけた。
“お前は何をやっているんだ!?”
バシンと音を立てて、ボールペンが割れて飛び散った。
自分にイラつく。
「…くそっ…」
親父の背中を追って医者になったけど、オレには親父みたいな才能がない。
ただの2世の医者かもしれない。
救命センター長から呼ばれた。
嫌な予感。
「顔色悪いけど、大丈夫か?今度の当直は代わってもらいなさい」
「いえ、全然元気なんで大丈夫です!」
色々調べ物をしたりして、最近ろくに寝てないからか。
でもそんなこと理由にできない。
自分の勉強不足なんだし。
「そうじゃなくて。ベテランの医者ならともかく、そんな疲労困憊状態の研修医に診察される患者の気持ちになってみなさい」
センター長はやんわりとオレをたしなめる。
「今週末はゆっくり休め」
そう言ってオレの名札を取り上げた。
これがないと、救命センターのスタッフ用通路のロックが開かない仕組みになっている。
もう強制終了って感じだな。
何も反論できなくて、黙って頭を下げた。
悔しい。
それ以外の言葉が浮かばない。
とぼとぼと更衣室に行って、自分のロッカーにボールペンを投げつけた。
“お前は何をやっているんだ!?”
バシンと音を立てて、ボールペンが割れて飛び散った。
自分にイラつく。
「…くそっ…」
親父の背中を追って医者になったけど、オレには親父みたいな才能がない。
ただの2世の医者かもしれない。