副会長の初恋語
「だ…だめっ……私が今日持ってきたの、折りたたみ傘…」

「…まじすか」

天気予報が比較的よく当たるというニュースの予報では、今日は激しい雨は降らないといっていたのだが…今日に限っては、見事に外れたようだった。


「あ、あぅ……あの、えっと…」

「だいじょぶっす。貸しますよ」


「(・・・あぁもう!!)」

昨日ああいうことがあったのに、何で普通の傘を持ってこなかったの私!

もう!バカにもほどがある!


「ぁ…」

「?」

「ぁの、……ありがとう」


お礼が小声!
恥ずかしがってるみたいじゃない!


「あーそんなの、ぜんぜんいんすよー。
だって俺、知弦先パイ命なんで(笑)」

「っっ」

いつも思うのだが、こうやってふざけて笑いながらそう言われると、本気かどうかがわからなくなる。

なんかこう、コイツは感情を隠すのが得意だと思う。


というか、本音、か。

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