それでも僕は、お前が嫌いだ

 迷ったが最期、術者の喉をシャクナの剣が切り開いた。

 どんな力があっても、戦いにおいて判断ミスは命取り。

 恐怖に支配され、“もしかして”が渦巻いた結果に過ぎないとシャクナは駆け上がった木の枝から周囲を見渡した。

 鳥の鳴き声、木々のざわめき、それら全てが数時間前と違っていた。

 
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