それでも僕は、お前が嫌いだ

ーーー

 「ぐ、ぎぃ!」

 耳上左右二つに結んだ苺色の髪を振り乱し、小さな子供は汗を拭った。

 子供は、周囲を取り囲む四十を超える屈強な男達の中心に立ち、相対する黒い装束を着た長身の男を睨む。

 「逃げられるとおおもいですか?たった二人の従者に何が出来ます」

 黒装束の男は子供に茶色く長い杖を向けた。




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