それでも僕は、お前が嫌いだ

 「…ディア・ミナス・ティリス様…いえ、今はレイヴン・テイル様ですか?ああいや、確かロキ様と…まぁ、何でもいい。大人しく我々にさらわれなさい」

 獣を連想させる血走った金色の瞳を細め、子供は口元の血を拭った。

 「ロキって何時の時代の話してるの?今はアベルだよバカ」

 名乗った子供、アベルの口から血が伝い、足元へボトボトと落ちていく。

 

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