君と杯を交わそう ~契約婚から築く愛~
「良かったですね」



それから他愛のない、雑談もしていくのだろうと誰もが思っていた。




「ああ。……で、話がある」
「話ですか?」
「ああ。とても大事なね」



一瞬、目が強くなった純哉さん。



「良かったよ、みんな来てくれて」
「いえ。それで話というのは?」
「ああ。実は……」


真司は杏莉を、陵は紫苑を、純哉は珠洲を、久仁彦は眞澄をじっと見て一斉に口に出した言葉は



「俺と結婚してくれ」


だった。





「え?」
「結婚……ですか?」






夢にまでに見たプロポーズは、指輪はなければサプライズなんて何一つない。それも会ったばかりの男からのものだった──


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