君と杯を交わそう ～契約婚から築く愛～

「なんであれ、おめでとう。杏莉、眞澄」
「ありがとう。陽菜ちゃん」




さっきから何も言わずにずっと聞いていてくれた陽菜。




「それで理由というのは？結婚するんですから教えてもらっていいですよね」
「ああ。まずは真司の理由は」
「俺は昨日、言ったけど教師をしている。で、俺が勤務している学校は男女交際が禁止なんだ。だから出来るだけ結婚してる人を採用してるけど、それを基準にしてたら若い人がいなくなる。で、結婚してない人も採用するけど、三年以内に結婚するのが条件」
「それで、結婚相手を？」
「ああ。けど、私立だけどずっといるわけじゃない。そこを辞めたらこの関係を解消したっていいし、結婚していることがわかってくれたら解消してもいい」
「……わかりました」