君と杯を交わそう ~契約婚から築く愛~
「ありがとう。助かったよ」
「いえ。それ、きついですか?」
「大丈夫。ゴムはほとんどない状態みたいだけど」
「良かったです」



桜花でご飯を済ましたからご飯を食べるわけじゃない。だからどうすればいいのかわからないからただ黙ったまま。
その沈黙を破ったのは真司だった。



「どんな理由があれ、挨拶はしないといけないと思う」
「はい。わかってます」
「じゃあ、会わせてくれないかな?杏莉の御両親に」
「……わかりました。じゃあ明日」
「明日!?それは急だね。でも、いいよ」
「すみません。じゃあ……明日」
「明日……ね」




ぎこちない笑顔の杏莉。それが何を意味しているのか分からない。けれど、真司はそれに対し笑顔を向けた。


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