君と杯を交わそう ~契約婚から築く愛~
車はきらびやかな街へと入って行く。その先にマンションがあった。
「ここですか?」
「そう。今の時間、母親しかいないけど」
そう言って、持っていた鍵を使ってオートロックを開けてエレベーターで最上階へと行く。
ドアを開けると、笑顔の母親がそこにはいた。
「お帰り。純哉」
「ただいま……。珠洲、おいで」
純哉が手招きをするのを見て、珠洲は母親の前に立つ。当然、笑顔が消える母親。
「入るよ」
そんな母親を他所に純哉は何時ものように部屋へと入って行く。珠洲もその後を追う。
「で、その女性は?女禁のマンションなんですけどね。一応、ここは」
「だから、この時間に来たんです。咲魔さんと翠(アキ)はいないけど」
「……まあ、良いわ。話があるんでしょ」
「俺、珠洲と結婚するから」
間髪を入れずに純哉は結婚の報告をする。
母親は恋人の紹介だろうと思っていた。それなのに、結婚の報告。
驚いて、嫌味さえ、珠洲に言わずにいた。
それでも、怒りはあったのだろう。
「そんなこと、許されるとでも思っているの?」
「反対されることは分かっていた。でも、俺はホストなんて興味ないし、大金にも興味ない。どうしてもホストになれと言うのなら、俺は貴女方と縁を切っても構わない」
「純哉!?」
まさかの発言に珠洲は驚きを隠せない。本当に
純哉はホストになるのが嫌なだけなのだろうか。それだけだとは到底思えない。
「ここですか?」
「そう。今の時間、母親しかいないけど」
そう言って、持っていた鍵を使ってオートロックを開けてエレベーターで最上階へと行く。
ドアを開けると、笑顔の母親がそこにはいた。
「お帰り。純哉」
「ただいま……。珠洲、おいで」
純哉が手招きをするのを見て、珠洲は母親の前に立つ。当然、笑顔が消える母親。
「入るよ」
そんな母親を他所に純哉は何時ものように部屋へと入って行く。珠洲もその後を追う。
「で、その女性は?女禁のマンションなんですけどね。一応、ここは」
「だから、この時間に来たんです。咲魔さんと翠(アキ)はいないけど」
「……まあ、良いわ。話があるんでしょ」
「俺、珠洲と結婚するから」
間髪を入れずに純哉は結婚の報告をする。
母親は恋人の紹介だろうと思っていた。それなのに、結婚の報告。
驚いて、嫌味さえ、珠洲に言わずにいた。
それでも、怒りはあったのだろう。
「そんなこと、許されるとでも思っているの?」
「反対されることは分かっていた。でも、俺はホストなんて興味ないし、大金にも興味ない。どうしてもホストになれと言うのなら、俺は貴女方と縁を切っても構わない」
「純哉!?」
まさかの発言に珠洲は驚きを隠せない。本当に
純哉はホストになるのが嫌なだけなのだろうか。それだけだとは到底思えない。