あんたのどれいのままでいい。
あたしはというと

青い空をぼんやり見上げていたわけではなく、

かと言って授業に集中していたわけでもない。


カサッ


こっそりと四つ折にした手紙を

机の隅に置いた。

この瞬間はいつもドキドキする。

黒板の前にいた先生が問題を解く生徒達を見回ってる。

その先生があたしの机の横を通過する---

その時


カサッ


他の生徒に気付かれないようそっと手紙を取る。

『放課後、教室で待ってるなり☆』

そう一言だけ書いた手紙。

あたしが、

先生に宛てた手紙、だ。
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