私の声を返して

 【お母さん。私、行くよ】

 
 私がそう書くと、


 お母さんは泣き崩れてしまった


 ああ、こんなにも心配かけてたんだ。

 こんなにも、私を想ってくれてたんだ。



 私はお母さんをそっと、後ろから包み込んだ



 その背中は、何年ぶりだろうか


 1年ぶり?


 いや、5年ぶり?


 ううん、もっと前かもしれない


 その背中は、

 細かった


 『ごめんね、お母さん』


 私、手術するから。

 キレイだったお母さんを、

 ココまで痩せさせてしまった。



 私は、明日、海外に、旅立ちます。



 そう決意をして
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