隣の彼女は・・・
昼少し前に部屋を出た。


エレベーターに乗り込み黙って1階のボタンを押して隣の鈴を見た。

鈴は相変わらずな格好をしてる。

こんなんで彼氏なんかできるのかよ。

誰かこの可哀相な女をなんとかしてやってくれ

と思う。


鈴は黙って黙々とメールをしていて
俺の哀れむような視線に気付かない。




『私って美人でしょ?
地味に見せとかないと男が寄って来て
受験勉強に支障をきたすといけないからこうしてるの。』

とか言ってなかったけ?


受験ももう終わっただろ?

少しはお洒落とかする気無い訳?

いや・・・お洒落とか以前の問題か?

元が元だから・・・



「何?」


急に鈴がこっちを向いた。


俺は慌てて視線を外し


「別に」


とぶっきらぼうに言って


何で俺の方が慌てて視線外さなきゃなんないんだろうと

ふと

思う。



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