仮面ライダー ORIGINAL FORM



「シャーッ。正義の味方を助けにくる正義の味方なんざ、いるのかぁ?」


――ミキミキッミシィッ


肋骨が悲鳴をあげている。


「うっ……ごふっ」


蛇野郎の顔に、咳と一緒に血を吐き出す。




「シャーッ!?てめぇ!汚ぇまねしやがって!じわじわやるのはやめだ、死ね!」


蛇野郎の右腕、大蛇に力が入る。


――ミシミシィッ


駄目だ…
マジで死んじゃうわ
と、諦めた瞬間


――ヒュンッ
――バシャッ



「あちぃっ!!」




何かが蛇野郎の顔面に直撃する。
そして、俺の顔にも。


――ペトリッ



「シャーッ!?な、なんだこりゃ!?こんにゃく!?」



驚いた蛇野郎の力が緩む。

――ズルッ
――ドサッ


「かっ…ごほっごほっ」


大蛇の牙から逃れ、地面に手をつき必死に息をする。


「がはっ…はっ…はっ…はっ」



歪む景色の中、見つめる先、地面に落ちている大根とタマゴとこんにゃく。


――ポトリッ


顔から剥がれ落ちたカラシ。


「で、出たな!【アニマート】!!」


声のする方に顔を向ける。
公園の入口。
街灯に照らし出されている人影。
霞んだ視界に、光る丸が二つ。


「だ、大丈夫ですか!?」


遠くから聞こえる声に、なぜか安心したのは確かだった。
脇腹の痛みも忘れ、荒くなった呼吸は戻らないが、恐怖感はなくなった。



「メガネ…くん。コントロール…良すぎ…」




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