なみだ
1
 
この先どうすればいいか。


ぼろぼろに錆びたブランコに乗りながら考えていた。

ここは小さな境内とブランコだけが置いてある小さな、ほんとに小さな神社で、夕方になると小学生のたまり場になっている。

が、今は平日の朝、時間にして8時30分を過ぎたところ。

通りから奥まった寂れた場所にあるのでしんと静まりかえっている。


私は一度深呼吸してみた。

聞こえるのはカサカサと枯れ葉の音と風の声。

境内の方へ目をやると、ホームレスがいたのであろう、無造作にぼろぼろの鍋が置かれ、その中にはどんぐりがびっしり入っていた。

もしかしたらホームレスがここに来るかもしれない、そうじゃなくても近所に住むおばさんが私を見つけて不審に思い、学校に連絡がいくかもしれない。

そう考えるとぞっとした。


もちろん後者にだ。
< 1 / 3 >

この作品をシェア

pagetop