なみだ

この状況はずっと胸の内で何度も練って空想したことだった。

空想ではここで母親が泣いて迎えに来るはずだった。

決して見つからない場所としてここを選んだはずなのに、実際には見つかることを望むなんて、矛盾した中学生の心理そのものだと私は思った。


大丈夫。


私はもう一度深呼吸してみたが、それでも高鳴りが抑まることはなかった。
< 2 / 3 >

この作品をシェア

pagetop