あたしのイジワル執事様!?【続編更新中】
「そんなに、その人が好きなんだ?」


そう言って優斗さんはメガネを外し、ワックスで固められていた髪を崩した。


「……え?……」


優斗さんの顔が知っている人の顔となる。


「ふうん。そんなに、僕のことが好きなんだ?」


彼は嬉しそうにニヤリと笑う。

突然いなくなったあたしが会いたかった人。


「……優也?」


「はい、なんでしょう、お嬢様?」


「なななななんで!?」


あたしは一人うろたえる。


優也と会えたのは嬉しい。


嬉しすぎるけど、なんで優也が婚約者のふりなんか……。


「さや。さやの婚約者は僕だよ」


「えっ?」


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