あたしのイジワル執事様!?【続編更新中】
夕方、僕は出来上がった報告書を提出するために書斎へ向かっていた。
その途中、深刻な表情をした斎藤さんと本堂さんを見かけた。
本堂さんの手には、可愛らしいリボンをあしらった手紙が何通も握られていた。
「その手紙どうしたんですか?」
「えっと、これは……」
僕が問いかけると、本堂さんは焦り始める。
どうにも落ち着かない様子だ。
そこで斎藤さんが涼やかにこう答えた。
「本堂の母からの手紙でございます。慣れない環境で無理をしていないか、とのことで」
「そうだったんですか」
どおりで浮かない表情をしていたわけだ。
それにしても結構な枚数だ。
まるで、毎日届いているかのような。
よほど心配なんだろう。
「ところで優也様。私達には敬語は不要ですよ」
斎藤さんはにこやかに言った。