箱庭で、君と共に。
タイトル未編集
「…ふぅ」



私、白鳥奈央(しらとりなお)は溜め息ひとつつき、膝を抱える



白いワンピースに包まれた私の太ももが露わになる



足首には、重い鉄の塊…所謂、足枷(あしかせ)



最近は、食事も喉を通らなくなってきた



…この箱庭は息苦しい



膝に頭をつけると、腰まである長い黒髪がむき出しの私の腕を撫でる



「…退屈」



お父様…白鳥英司(しらとりえいじ)は、私に歪んだ愛情を向け、私を箱庭に閉じ込めた



顔を見たことがないお母様…白鳥美代子(しらとりみよこ)に、私はそっくりなんだそう



そのお母様は、私を産んですぐに死んだ



病気だったらしい



最愛の人を亡くしたお父様は、白鳥財閥のトップだという権力を振りかざし、私を閉じ込めた



最愛の人の影を私に重ね合わせ、二度と自分から離れないようにと…



ひとりでは広すぎる部屋



ひとつしかない窓には鉄格子…



まるで、監禁だ



誰か私を救って



ここから連れ出して…
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