幼馴染と甘い夏【短編 】
「いや、だって。一人で海に行くって言ったら、エリに反対されたし。海なんだからキャミだって普通だと思ったし…。」
あとは。
「翔ちゃんと手をつないでたら、気持ちが緩んだ、のかも。」
最後は明らかに自分が考え事してたから、小声になってしまった。
すると、翔ちゃんは、
「はぁ~っ。」
っと深いため息と共に、あたしを解放してくれた。
そのままふいっとあたしを置いて、一段下の岩場に足を進め、
「なんだそれ。天然なの?次やったら、キスするぞ。」
と、意味不明のセリフを残して進んでいく。
え…。キス?
あたしが不注意なのがどうしてそうなるのか、よく分からないまま、とりあえず先を進む翔ちゃんを追いかける。