幼馴染と甘い夏【短編 】
「ま、いいや。ペナルティな。」
そう言って、ニヤリと悪い笑みを浮かべると、大きな手があたしの頬を包んでいて。
状況を理解できないで瞬きをする間に、
あたしの唇は完全に塞がれていた。
優しく一瞬だけ触れてそっと離れるキス。
驚いて目を開きっぱなしだったあたしと、閉じていた目を開いた翔ちゃんの視線が、絡む。
その、熱を含んだような熱い瞳に耐えかねて、目を閉じると、再び重なる唇。
それは、啄ばみながら次第に侵入してくる。
でも、決して強引でも強制でもなく、
あたしは簡単に翔ちゃんのキスを受け入れてしまっていた。
深くなるキスに、思わず翔ちゃんのTシャツにしがみ付く。
同時に、あたしの体を支える逞しい腕に、力がこもる。
翔ちゃんの腕の中は、不思議と心地いい。