幼馴染と甘い夏【短編 】
「そんな目で見んな。それとも、俺を煽ってんの?」
「…あおっ!?そんな訳、ないじゃんっ!」
「だから、危なっかしいんだ、オマエ。」
ピンっと軽くおでこを小突かれ、翔ちゃんはあたしから離れた。
危なっかしい??
だいたい、“そんな目”って、どんな目??
疑問を拭えず、顔を傾げながらも、
とりあえず海に向けて座った翔ちゃんの隣に腰を下ろす。
ちょうど夕日が海に沈んでいくところで、水面がキラキラ輝いていている。
ザザーッという波の音に、潮の香りがする海風。
ああ、この香り、懐かしいな。
あたし、この景色を見に来たハズだったのに…。