幼馴染と甘い夏【短編 】
ボーっと海を眺めてる間に、夕日は海に沈んでしまった。
明るかった黄金の光は消えて、ピンクやらオレンジやら紫の、美しいグラデーションが空を染め上げる。
ふと、さっきの出来事を思い出す。
あたし、翔ちゃんとキスしちゃったよ。
ってゆーか、翔ちゃん、キス上手かった。
あたしの決して多くもない経験上だけど、こんなに気持ちのいいキスは、初めてだ。
女心をキュンとさせる顔で、男らしいがっしりした体格。
そして、官能的な、甘い甘いキス…。
それだけで、どれだけの女の子を相手にしてきたんだろう、とモヤモヤ想像してしまう。
きっとすごいモテるんだろうな~。
ちらっと、隣の翔ちゃんを盗み見ようと視線を向けると、あたしを見ている優しい眼差しと視線がぶつかる。
・・・え。