幼馴染と甘い夏【短編 】
パッと顔を出したけど、そのパーカーから、昨日抱きしめられた時と同じシトラス系の香水の匂いがすることに気付き、持ち主が翔ちゃんだとわかる。
ドキンッ。
ニオイで記憶が引き出されるってホントなんだな、なんて身体が熱くなるあたし。
やだ…。
「何て顔してんだ、アホ。」
一方の翔ちゃんは、朝からあたしをアホ呼ばわり。
いや、確かにあたし、昨日から変なんだけど。
「何よ。変な顔で悪かったわね。」
と睨み返してみる。
が、
「あれだけ言われてなお、そんなカッコで来るってのは、よほどのアホなのか?それとも俺にケンカ売ってんのか?」