幼馴染と甘い夏【短編 】
イケメンの翔ちゃんを呼び込み担当にするのは、哲平兄ちゃんにしてみればごく当然のことで。
エアコンの効いてる店内と比べ、外にばかりいて、大変そうだ。
氷をたっぷり入れたお冷を作って、翔ちゃんに持っていくことにする。
午前中は駐車場側で呼び込みをする。
表に出ると、既に次の女の子達に声を掛けていた。いや、掛けられていた?
「お兄さん、ここの海の家のひとぉ?」
「うん。どお?ウチに入ってくれたら、ワンドリンクサービスだよ?」
翔ちゃんの営業スマイルは、極上の爽やかハンサムスマイルで、声を掛けたお姉さんの頬が染まるのが、あたしの所からでも分かった。
たかが、ワンドリンク。他の海の家だって、そのくらいは普通にサービスしてる。
でも、翔ちゃんに言われると、別物になっちゃうみたいだ。
「じゃ、じゃあ、ここにしちゃおっか?」
なんて、2人組のお姉さんは、あたしの脇をすり抜けて店内へ入っていく。