幼馴染と甘い夏【短編 】
お姉さん達を見送って、あたしに気付いた翔ちゃんは、ニコッと笑って片手を上げる。
「よ。お疲れ。」
「ん。」
冷たい水の入ったグラスを差し出すと、
ゴキュゴキュと、あっという間に飲み干してしまう。
首ににじむ汗と、水を飲んで動く喉仏が、妙に色っぽい。
「はー、うまかった~。サンキュ。」
カランッと、残った氷をすべて口に含むと、グラスを返してくる。
そこで思わず見惚れていたことに気付き、ハッと視線を逸らす。
何か言わなくちゃ。
「…モテモテじゃん。」
「ん?ああ、たくさん呼び込みしたら、バイト代割増すって、哲平さんがね。」
ニヤリ、と笑う。
哲平兄ちゃんってば、そんなこと約束してたの?