幼馴染と甘い夏【短編 】
お客さんの気分を害さないように、上手くかわすのは、意外と難しい。
ため息をついて、キッチンサイドへ戻ると、愛理が来ていて、手招きしていた。
「お疲れ。ホラ、持ってきたよ、着替え。」
「ああ、エリ~、ありがと!」
やっぱり、愛理が来てからパーカーを脱げばよかったと、後悔していたところだったので、つい愛理に抱きついてしまうあたし。
が、愛理はやっぱりおかんみたいに怒る。
「アリサさあ、去年もさんざんな目にあったんだから、自覚しなさいって!
顔は童顔でも可愛い系で、胸は大きくてそれなりにスタイルもいい。無自覚にしたって、隙が多いんだから、ナンパしてくださいって看板下げてるようなもんよ?」
「・・・(むーん)」
・・・そこまで、言う?
「エリだって、美人だし、モテるじゃ~ん!」
ああ、こんな言い返ししか出来ない自分が情けない…。
「あたしは隙を見せないし、性格キツそうとかって言われて、ナンパされないもの。」
「ああ、うーん。クールビューティーだからね。
自分に自信のある男じゃなきゃ、ナンパできないよね。」
すっかり納得してしまう。