幼馴染と甘い夏【短編 】
夏の夜の夢
海の家は、忙しい。
哲平兄ちゃんのシフトは、人数ギリギリで、愛理みたくペンションからのヘルプがないとかなり厳しい。
だから、あっという間に1週間が過ぎてしまった。
翔ちゃんとは、あれからも何事もなく、普通に「元幼馴染のバイト仲間」の一線を越えることは、ない。
それでも、ナンパされて困った時には、必ずと言っていいほど、翔ちゃんが助けに入ってくれた。
毎日交代で空き時間に遊んでもいいと許可はでてたんだけど、今年はそんな気分にもならず、休憩時間にも海の家の端っこで控えていて、手伝う日々。
そうすると、嫌でも翔ちゃんが女の子達と話しているのが見えてしまって。
彼女でもなんでもないのに、勝手にやきもきしてしまったりして。
きっと、本当にこうやって心配する権利があるのは、「アヤカ」さんなんじゃないか、って考えてみたり…。