幼馴染と甘い夏【短編 】
そんなあたしの様子をばっちり見ていたケンタさん。
「・・・アリサちゃんは、彼が好きなんだ?」
いきなり言われて、ぶんぶんと大きく頭を振って否定してしまう。
「ち、違いますよ!ただの幼馴染ですから!!」
つい声が大きくなってしまって、焦ってしまう。
「あれ、そうなの?じゃ、アリサちゃんは彼氏は?」
「いませんよー。だから、募集中です。」
あはは~、と笑ってみせるものの、心が、痛い。
翔ちゃんに、彼女がいる。
その可能性に気付いてなかった訳じゃない。
けどなんか、めちゃくちゃショックだ。
すると、にっこりほほ笑んだケンタさんは、
「じゃ、俺が立候補しておいても、いいかな?急すぎて困るかもしれないけど、ピンときたんだ、アリサちゃんのこと。」
あたしを覗きこんで、そう言った。