幼馴染と甘い夏【短編 】



そんなあたし達に、太陽の日差しは容赦なく照りつける。


体力温存のため、どちらともなく無口に歩いていたら、一台の車がスピードを落として近付いてきた。

確かにあたしはさっき、「誰か助けて」って思った。
けど、今年はそう易々とナンパなんかに引っかからないんだから!


車はあたし達の脇に止まり、助手席の窓が開く音がする。

「ねぇちょっと、...」
「あ、ナンパならお断り、...っ!」


声をかけられるのと同時に顔も見ずに断ろうとしたら、めちゃめちゃ好みのイケメンが乗っていて。

その先の言葉を飲み込んで、そのイケメンをじっと見つめてしまったあたし。


ちょっとタレ目のくっきり二重。
瞳は茶色がかっていて、綺麗。

地毛っぽいこげ茶色の長すぎない髪の毛は、暑さのせいか額を出して両サイドに軽く流してあって。
すっと通った鼻筋に、形のいい唇。


可愛さを残した整った顔立ちだけど、決して中性的とかじゃなくて、目力や骨格が男らしさを際立たせる。


ああ、最近よくテレビでみる俳優に似てるかも…。



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