幼馴染と甘い夏【短編 】
小さい頃の、昔一緒に遊んだ話。
ご近所の名物の話。
同級生や担任の話。
話のネタは尽きない。
「え、翔ちゃん、W大なの!?優秀~♪」
有名大学に進学して、大手メーカーの内定がきまってるとか。
外見がいいだけでなく、頭の中身もいいらしい。
こりゃ、相当モテるな~。
「アリサは?女子大って言ってたっけ?内定出てんだろ?」
「ん。そう愛理と一緒なの。内定っていっても、フツーのOLだよ?」
「十分じゃん。頑張ろうな、お互い。」
「ん。カンパーイ!!」
そうやって、何度でも乾杯して、この“時”を、楽しむ。
それが、あたしに許される、翔ちゃんとの時間の共有の方法だと思ったから。
この間みたいに、簡単に接触しないように、いつになく気を付けた。
どんなに好きだと気付いても、この人には彼女がいる。
一夏の恋とか、2番目とか、そういうのは嫌だよ・・・。