幼馴染と甘い夏【短編 】
翔ちゃんは、優しく強引に、いくらでもあたしを求めてきて、だんだん息が苦しくなる。
「・・・あっ、・・・ん…」
吐息に混じる自分の声が、やたらあたりに響いて聞こえる。
肩や背中を、そっと這うように動く翔ちゃんの手。
大きいくせに、その動きが繊細で…。
それだけなのに、背中が粟立つ感覚に襲われる。
立っていられなくなりそうで、必死に背中に回した腕に、力を込める。
と、逆に翔ちゃんの腕の力が緩んで、唇が離れる。
急に離されると、無性に恋しくなってしまったりして。
あたしは今きっと、すごくもの欲しそうな表情をしてる…。
「ヤバい。まだ足りない・・・。」
そう言ったか言わないかのうちに、ゴミをまとめた袋を拾って、片手であたしの手首をつかみ、歩き出す翔ちゃん。
その手はキツク握られていて、転ばないように歩くのがやっと。
握り直され、繋がる指先から、全身に熱が広がる思いだった。