幼馴染と甘い夏【短編 】
渚の恋人
再び目を覚ましたのは、翔ちゃんのアラーム…ではなく、電話の音。
♪Pirorirori~
翔ちゃんは、気怠そうに起き上って昨日脱いだパンツのポケットから携帯を取り出し、電話に出る。
それを横目で見ながら、部屋の時計に目をやれば、朝の7時5分。
カーテン越しに、朝の光が燦々と差し込み、今日も暑くなりそうだ。
翔ちゃんは、寝ぼけた声で電話口で話す。
「ん。・・・今起きた。」
モーニングコール?
向こうの声は聞こえないけど、そんな感じ。
そして、同じく寝ぼけたあたしの頭を、一瞬で起こす最悪の単語・・・。
「…サンキュー、彩夏(アヤカ)。」