幼馴染と甘い夏【短編 】
部屋に愛理はいなかった。
朝食の手伝いからシフトに入ってるんだ。
誰かがいたら、意地を張ってたかもしれない。
でも、誰もいない部屋で次々にこぼれる涙を止める気にもならず、そのままベッドへダイブする。
好きになったから、翔ちゃんに求められるのが嬉しかった。
でも、彼女がいると分かっていながら彼に抱かれたのは、あたし。
自ら“都合のいい女”を選んでしまったんだ。
もともと、軽い女に見られて損することが多かったあたしは、今度こそって、思ってたはずなのに。
また流されてしまった。
きっと、愛理にも怒られるんだろうな…。