幼馴染と甘い夏【短編 】
とはいえ、一日眠ることもできなくて、結局外に出てきたあたし。
遠目に海水浴場の見える防波堤の上から、海を眺める。
たしかに、あたしの悩みなんてちっぽけかもしれない。
強めの海風が吹いていて、このまま昨日の記憶を吹き飛ばして欲しくなる。(無理だけど。)
お日様は傾き始めていて、そろそろ海の家は、帰りの着替えなんかで込み合う頃だ。
ただ風に吹かれて座っていると、後ろで車のエンジン音がして、人が降りてくる気配がした。
ドキっとしながら振り返った先にいたのは、予想しなかった人物。