幼馴染と甘い夏【短編 】
「ずいぶん泣き腫らした目だね。…あの男の子と、何かあったのかな?」
・・・!!
その瞬間、引っ込んでいたものがふたたび溢れかえって、ぼたぼたと涙がこぼれる。
「無理して止めないで、好きなだけ出したらいいんだよ。辛い気持ちも一緒に流しだしてしまうんだ。
それで落ち着いたら、素直に自分の気持ちを伝えたらいい。見た感じ、ため込んでるみたいだから。」
どうして、そこまであたしの状況が分かるんだろう?
でも、あたしの気持ちは、翔ちゃんにとって迷惑以外の何物でもない。
だから、気持ちを伝えることなんて、できないのに。
ただ、ふるふると首を振る。