幼馴染と甘い夏【短編 】
秘密の岩場
無事に車でペンションに到着したあたしたち。
ペンションや海の家のスタッフに挨拶を済ませると、なんだかんだ日が傾き始めていた。
ま、夏だからまだ全然遊べる時間だけどね。
今日はお手伝いはいいから、と言われ、ご近所を散策することにする。
「エリ、海まで散歩しない?」
「んー、あたしはいいや。ボディボードレンタルに行きたいって言ったら、哲平さんが買い物ついでに連れてってくれるって。行ってくるね。」
「ふーん、そっか。気を付けてね。」
そういえば、愛理は今年はボディボードやりたいって言ってたっけ。
夕日でも眺めに行こうかと思ったんだけど。残念だな。
フラフラ部屋のドアを開けて出かけようとするあたしに、
「てゆーか、アリサこそ、気を付けなさいよ!」
と、愛理のお小言炸裂。
ナンパに付いていっちゃダメだからね?とか、
迷子になったら、すぐ電話してね?とか。
でもあたし、そんなに危なっかしいかね?