「 好 き 」【短編】
「…オレさ、今までお前の事が好きだった…だけど振られて、避けられて……お前が違うヤツと付き合うって考えたら怖かったんだ……。」
小さい声だけど、あたしの耳元で言っているから聞こえる。
「何々~? 何話してんの~?♪」
まだ居た兄、龍哉さんは冷やかしている。
だんだんイラついてきたのか、輝は不機嫌な声で、
「……兄貴、家帰れ。」
って言ったから、素直に、「へいへい」とダルそうに言い、手をヒラヒラさせながら帰った。
「………///」
あたしはなんとなく申し訳ない気持ちになったけど、まだ輝が抱きしめてるからか……恥ずかしい。
顔のモヤモヤとした熱いのが火照ってる。