「 好 き 」【短編】
す れ 違 い 。
* 武岡 輝 *
オレの前から幼馴染みがいなくなったのは昨日の事。
昨日までのオレの普通の日常と今日の朝は違った。
いつもなら、幼馴染みの麻美が迎えに来るのに、時間が立っても来なかった事。
学校の帰り、オレは麻美と帰っているはずなのに、麻美はオレの教室に来た!と思ったら平然と通りすぎて行った。
まあ当たり前っていったらそうだ。
オレは5組、麻美は6組だからオレの教室を通らないと帰れない。
そしていつも麻美が教室に迎えに来て一緒に帰って、毎日といっていい程あの“駄菓子屋”に寄っていた。
麻美と一緒に見た綺麗な夕焼けも今じゃ何かをなくした真っ白い何かにしか見えない。